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アトピー性皮膚炎にデュピクセント

デュピクセント(デュピルマブ)は、中等症~重症のアトピー性皮膚炎に対して2018年に承認された画期的な治療薬です。

作用メカニズム

IL-4とIL-13というアレルギー炎症の主因となるサイトカインの働きを直接ブロックし、皮膚の炎症とかゆみの両方を抑える作用があります。

この薬の登場によって、従来の治療では良くならなかった重症アトピー性皮膚炎の経過が劇的に改善するケースが増え、「アトピー治療のゲームチェンジャー」とも評されています。実際、国際臨床試験では約半数以上の患者が16週間(約4か月)で皮疹の重症度が75%改善(EASI-75達成)する効果が確認されています。さらに治療を継続することで改善率が高まる傾向があり、1年以上の長期使用ではより多くの患者さんが症状の大幅な緩解を得ています。

小児から成人まで

小児から成人まで幅広い年齢に使用可能なのもデュピクセントの特徴です。

日本でも2023年末に適応年齢が拡大され、生後6か月以上の乳児から使用できるようになりました。生後6か月の赤ちゃんにも使えるという事実が示すように、安全性が高く重篤な副作用が少ない薬剤です。

実際の臨床現場でも「非常に効果が高い上に重大な副作用が少なく、アトピー患者さんにとって福音のような薬」と評されています。

副作用として注意が必要なのは、一部の患者にみられる結膜炎(目の充血・かゆみ)や注射部位の腫れ・痛みですが、いずれも点眼治療などで対処可能であり、これらが原因で治療継続が困難になるケースはまれです。まれに初回注射時にアナフィラキシー(重度のアレルギー反応)が報告されていますが、ごく少数例であり、初回は医療機関で経過観察を行うことで適切に対応できます。

効果の現れ方には個人差がありますが、多くの患者さんで数週以内にかゆみの軽減を実感し始め、その後皮膚の赤みや湿疹が徐々に改善していきます。夜間の睡眠が妨げられるような強いかゆみが和らぐことで、睡眠の質や日中の集中力が向上し、生活の質(QOL)の大幅な改善が期待できます。

デュピクセントは2週間に1回の頻度で継続投与する必要がありますが、自己注射用のペン型デバイスを用いるため慣れればご自宅で簡便に投与可能です。初回は2本同時に皮下注射し、その後は2週ごとに1本ずつ打つスケジュールとなります。

デュピクセントはアトピー性皮膚炎以外にも、結節性痒疹(皮膚に硬い結節が多数でき激しいかゆみを伴う疾患)や特発性の慢性蕁麻疹(原因不明の慢性的な蕁麻疹)にも保険適用があります。

さらに、皮膚科以外の分野では気管支喘息や慢性副鼻腔炎(鼻茸を伴う)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などアレルギー・炎症性疾患にも適応が広がっています。このように、多領域で効果を発揮することからもデュピクセントの作用メカニズムがアレルギー疾患全般において重要であることがうかがえます。

治療期間については、明確な上限は設けられていませんが、少なくとも1年以上の継続が推奨されることが多いです。十分に症状が落ち着いた場合には医師の判断で投与間隔を徐々に延ばしたり、中止を検討することもあります。ただし中止すると再び症状が悪化する可能性もあるため、治療の中止(いわゆる“卒業”)には慎重な判断が必要です。医師と相談しながら、“出口戦略”も見据えて治療を進めていきましょう。

アトピー性皮膚炎の治療にはこれまで主に保湿剤やステロイド外用薬、免疫抑制外用薬(タクロリムス軟膏など)が用いられてきました。

近年、新たな選択肢として 生物学的製剤(バイオ製剤) を使った治療が登場し、従来の治療で十分な効果が得られない中等症~重症の患者さんに大きな効果をもたらしています。

バイオ製剤とは、病気の原因となる体内の物質(サイトカイン)やその受容体をピンポイントで狙い撃ちしてブロックする抗体医薬のことで、皮膚の炎症やかゆみに深く関与する物質だけを選択的に抑えるため高い有効性と副作用の少なさが特徴です。

バイオ製剤(生物学的製剤)とは、生物由来のタンパク質(抗体)を利用して作られた医薬品で、体の免疫反応の中でもアトピー性皮膚炎の発症・悪化に関与する特定の分子だけを狙って作用するお薬です。

具体的には、アトピー性皮膚炎の炎症やかゆみを引き起こす原因となるサイトカイン(免疫物質)やその受容体に結合し、その働きをブロックします。従来の治療(ステロイドや免疫抑制剤)が免疫反応を広く抑えるのに対し、バイオ製剤はアトピー性皮膚炎の病態に関与する部分だけをピンポイントで抑えるため、より効果が高く副作用も少ないとされています。

代表的なバイオ製剤は皮下注射薬として投与され、多くは患者さん自身で自己注射が可能なようにデバイスが工夫されています(ペン型のオートインジェクターなど)。

ただし薬剤費が高額なため、健康保険適用であっても自己負担額が大きくなりがちです。そのため日本では高額療養費制度や自治体の助成を利用して負担額を軽減できる場合があります。特に高校生までの小児の場合、多くの自治体で医療費助成制度(子ども医療費助成)が適用され、自己負担なしで治療を受けられるケースも多くなっています。

バイオ製剤はどんな患者に使うのですか?

中等症から重症のアトピー性皮膚炎で、通常の治療(スキンケアや外用薬・内服薬)を一定期間しっかり行っても改善しない方が対象になります。

具体的には、例えば強力なステロイド外用を数ヶ月試みても湿疹が引かない、広範囲に皮疹が及んで掻破痕だらけになっている、といったケースです。保険適用上も「既存治療で効果不十分な場合」と定められており、医師が病変の広がりや重症度スコア(EASIスコアなど)を評価した上で適応を判断します。逆に言えば、軽症~軽度中等症のアトピー性皮膚炎にはまず標準治療を行うのが原則で、バイオ製剤はそれでも良くならない場合の“次の一手”とお考えください。

子どもにバイオ製剤を使って大丈夫でしょうか?副作用が心配です。

はい、お子さんにも安全に使えるお薬です。

デュピクセントは生後6か月の赤ちゃんから適応があり、小児の患者さんでも安全性は確立されています。実際に日本でも多くの小児アトピー性皮膚炎のお子さんに投与されており、重篤な副作用なく劇的な改善が報告されています。むしろバイオ製剤は標的を絞った作用のおかげで、全身ステロイド療法やシクロスポリン内服など過去に重症例で使われていた治療より副作用リスクは低いと考えられています。

注射時の痛みは一瞬チクッと感じる程度ですが、小児には針を刺す恐怖心もあるため、当院では必要に応じて表面麻酔の使用や極細針の採用など痛み軽減策も講じています。副作用としては目の充血・かゆみ(結膜炎)や、ごく稀に注射部位以外の皮膚に赤み(湿疹様の発疹)が出ることがありますが、いずれも適切に対処すれば大きな問題なくコントロールできます。総じてお子様でも安心して受けられる治療といえるでしょう。

注射が怖いのですが痛みはどのくらいですか?

デュピクセントなどの自己注射はペン型デバイスを肌に当ててボタンを押すだけで完了し、針も細いため従来の予防接種ほど痛くはないと言われています。

個人差はありますが、「思ったより平気だった」という方がほとんどです。小さなお子さんにはご家族に抱っこしてもらいながら行うこともできます。注射時間自体は数秒で終わりますのでご安心ください。なお、自己注射を開始した後でも「自分で打つのがつらい」と感じた場合は無理せず申し出てください。医師・看護師による院内注射に切り替えることも可能です。

当院へご相談ください

アトピー性皮膚炎に対するバイオ製剤治療をご検討の方は、ぜひ一度当院にご相談ください。

当院ではじっくり時間をかけた診察・カウンセリングを行い、患者さんの症状やこれまでの治療経過を詳しく伺った上で、最適な治療プランをご提案いたします。初めてバイオ製剤治療をご希望される場合はもちろん、「他院でデュピクセントを勧められたが迷っている」といったセカンドオピニオン的なご相談も歓迎いたします。

デュピクセント以外にも、イブグリースやミチーガといった製剤も取り扱っております。

現在すでに他施設でバイオ製剤治療中で当院への転院を希望される場合は、紹介状(診療情報提供書)をご持参ください。紹介状にはこれまでの治療歴や重症度評価の詳細が記載されますので、スムーズに治療を引き継ぐためにもご協力をお願いいたします。